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ローマ在住。ガンベロロッソでイタリア料理・ドルチェ勉強中のmariのブログ。イタリアワインソムリエ、オリーブオイルソムリエの視点で、イタリア料理、ドルチェを楽しんでいます♪


by cucina_amalfitana
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地球アゴラでお蔵入り(!)したカルチョーフィ。

地球アゴラでお蔵入り(!)したカルチョーフィ。_f0090286_053149.jpg
カステッリーナ・イン・キャンティのホテルのテラスから。

さて、前回のエントリでちょっとふれた、NHK BS1 「地球アゴラ」で紹介予定だった、
カルチョーフィについて、書いてみますね。

カルチョーフィ(Carciofi 複数形 単数形ではカルチョーフォCarciofoとなります)とは、
英語でアーティチョークと呼ばれるもので、キク科の朝鮮アザミの花が咲く前のつぼみで食用にされるものです。元はアラブから伝わってきて、現在では北イタリアからシチリアまでイタリア中で生産される、イタリア野菜の代表格です。

カルチョーフィは高さは60センチほどまで成長し、
鮮やかな青い花をつけますが、花をつける前のつぼみを食します。

年に2回実をつけ、まず秋に1回目の実がつきます。
収穫のため花の先端を切りおとすと、
再度、3月~4月に実をつけます。
この、春に実をつけるカルチョーフィの方が美味しいのだそうです。

カルチョーフィの実は、5センチ~15センチ まで成長しますが、
5センチくらいの小さく若いつぼみの時の方が
苦味も少なく柔らかくておいしいのです。

と、いうことで、現在、キャンティの研修先レストランでは
毎朝100個くらいの小ぶりなカルチョーフィの皮むきをして
まかないで、毎日カルチョーフィを楽しんでいます。
レストランのお客様におだししているのは、フリット(あげもの)と
スフォルマート(ベシャメルとあわせて型に入れてオーブンで焼いたもの)だけ。
実は、まかないでは、色んな調理法で、楽しんでいます♪

パスタ、リゾットに合えたり、
ラザーニャ、フリッタータ(オムレツ、卵焼き)に入れたり、
ミキサーにかけて、生クリームと合わせ、
スープにしたり(私はスープが一番すきです)、
パテにしてパンにつけたり。。。
そしてディジェスティーヴォ(食後酒)として、
Cynarという名前の甘口のカルチョーフィのリキュールが飲まれます。

イタリアでのカルチョーフィの産地として有名なのは、
大振りで一番おいしいといわれる Romano(ローマ種) 、
そして、Ligure(リグーリャ種)、Sardo(サルデーニャ種)がありますが、

ここトスカーナでは、Carciofi Morelli (カルチョーフィ・モレッロ)
または、Carciofi Morellini(カルチョーフィ・モレッリーニ)
と呼ばれる品種が、生産されています。

トスカーナのMorello(または、Morellino)種の特徴は、
Morello という単語が、「黒ずんだ色」という意味の形容詞のとおり、
青黒い色の花で、花の先端に硬くとがったトゲがあるということです。

「美しいものにはトゲがある」ではなく、

「おいしいものにはトゲがあり」種を守っているのですね~。

そんなトゲのある、おいしいカルチョーフィの下処理の方法は、

1.花の色が、黒から薄緑色に変わるまで、ひたする剥ぎ取る。
2.がくの硬い部分から、軸の外側をナイフで剥く。
3.花の上半分の紫色の部分を切り取る。
4.直ぐにレモンをたっぷり入れた水に漬け、15分程度アク抜きをする。

アクがとっても強いので、カルチョーフィを水に入れた瞬間、水は真っ黒に!
そして、気がつくと手と爪の中も真っ黒に!!!

一緒に働く、70歳のジュデュッタおばちゃんは
「カルチョーフィを剥く前に、手にたっぷり、レモン汁をつけておくといいわよ。」
と、レモンを渡してくれました。確かに、指への着色は緩和されました。
おばあちゃんの知恵袋です♪

時間がなかったり、手が黒くなるのが困るときには、
スーパーに行けば、下処理済みのカルチョーフィがビン詰めで売られています。
(ただし、ビン詰めのものは、全く苦味がありません。)

皮むきとアク抜きに手間がかかりますが、
春の訪れを感じることができるため、イタリア人に愛されているのは
日本の竹の子と通じるものがありますね。
日本では、みなさま竹の子料理をお楽しみでしょうか。
春にイタリアにいらした際には、ぜひカルチョーフィを
お召し上がりくださいね~♪
by cucina_amalfitana | 2007-05-06 00:34 | トスカーナToscana